お父さんは田んぼで稲を育て、お母さんは山で桃の世話・・・そんな昔話に出てくるような播州・社(やしろ)のとある家族のお話。
父、古跡 真一さんと母、清美さんは20代の時、アルバイト先の北海道・士別の農場で知り合い結婚、それから今日まで力を合わせ自然農法で暮らしておられます。当蔵は11年前に自然食品団体からお二人を紹介され、以来その団体の方々と一緒に有機栽培の酒米作りと酒造りに取り組んできました。古跡さん夫婦はともに童顔、だから今も当時とまったく変わらない風貌なのですが、いつの間にか子供五人に恵まれ、家は賑やかなことったらありません。それでも最近は、高校生になった長女の日和(ひより)ちゃんが何かと手伝ってくれるので両親は大助かり。
さて、この一家が住む社という土地は、酒米の王者・山田錦の本場。それでなくても栽培の難しいこの米を、さらに手のかかる有機栽培で育てる古跡さん。このぶれない農魂に、どこにそんなパワーが潜んでいるのかといつも感心するのですが、やんちゃな子供たちの大活躍を見るたびに、その源が分かるような気がしてきます。
子育ても農業もまさに今、現在進行形の古跡家が育む元気で丈夫なオーガニックの山田錦で醸す酒が、僕たちを元気にしてくれない訳がありません。この一杯で明日への勇気が沸き起こる、ボトルの向こうに明るい未来が透けて見える、それが古跡米による自然酒なのです。
古跡真一