渡辺トモコ 木版画の物語
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当蔵の四季の限定商品、「版画」シリーズには、郷愁を誘う里山の風景が描かれている。この和やかな酒のラベルを手掛けているのが、版画家の渡辺トモコさん。梅雨のさなかに訪れた柏原町の自宅兼工房の古民家では、新作版画の制作が行われていました

渡辺トモコ 木版画の物語

制作工程は「絵」「彫」「摺」の三つに分けられます。木版画が日本で隆盛を極めた江戸時代には、各作業を専門の職人で分業していましたが、トモコさんはこの全ての工程を一貫して自身で仕上げます。
今回のテーマは「秋の蔵元」。かつての“秋洗い”の写真をもとに、木版画の大元となる下絵を描き、板に転写します。(秋洗い=酒造期に備え、秋に道具類を洗浄・修理するという酒蔵の習慣)

渡辺トモコ 木版画の物語

※下絵の元となるかつての秋洗い情景

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下絵を元に版画の原板となる「版木」を作るのが「彫」の工程。10種類以上の彫刻刀を使い分け、刃先をミリ単位で板面に入れていきます。細かく丁寧な作業と、長年の経験に裏打ちされた技術によって、彼女のぬくもりのある原画が再現されます。また木という一歩間違えるとやり直しが効かない素材を扱うため、集中力も欠かせません。

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版木が彫り上がると、いよいよ「摺」の工程です。版木の表面に絵具を塗り、ムラ無く均一に整えます。
水を含ませた和紙を版木に乗せ、バレンを押し当て細かく動かしながら、凸部のイメージを和紙の繊維に摺りこんでいきます。色を載せた和紙を版木から剥がし、風通しのいい場所で乾燥させます。

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「人の手で絵を描く。版を彫る。そうすることで生まれるデフォルメ具合から人間らしさが溢れます。本当に伝えたいことがわかるのが、手仕事によるデザインの魅力。」
同じく手仕事に重きを置く者として、その言葉が深く身に染みます。完成した版画を携え、蔵元への帰路につく足取りは軽く、湿った空気もどこ吹く風でした。

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