天麩羅とお蕎麦三輪｜おすすめの店｜奥丹波蔵元　山名酒造株式会社

関西できらびやかな繁華街としてまず思い浮かぶのが大阪の北新地。なかでも高級店が立ち並ぶ御堂筋側の一画、老舗の田園ビルにこの店はある。
「天麩羅とお蕎麦　三輪」のオーナーにしてシニアソムリエの上林泰朗さん。料理好きの母親に育てられ、幼い頃から独自のレシピでおやつを作ったりしていた素質が、長じて店を持つまでの様々な経験に鍛えられて、オリジナルな割烹スタイルを生み出した。

スタートはBlue Note Osaka。音楽と料理を楽しむ空間に身を置き、ライブ感を大切にする接客に目覚める。その後、フレンチレストラン、割烹「うかむ瀬」に勤めクラシックな仕事のきめ細やかさを知り、やがて懐石「雅しゅとうとう」の支配人を任されるまでになった。

2018年に独立し開業したこの店は、今まで北新地にあるようでなかった天麩羅と蕎麦をメインにした新しい切り口。一流店で身に着けたセンスでもって、シンプル＆ゴージャスな美味が提供される。キレのよい米油で揚げる車海老、穴子、旬の野菜の数々。牛肉を巻いたすき焼きの創作天麩羅はボリュームたっぷり。締めの蕎麦は二八ならではの滑らかなのど越し。奥丹波からは、上林さん御贔屓の青木杜氏の醸す逸品をお届けしている。

店名「三輪」は上林さんが酒の神様、大神(おおみわ)神社の氏子である縁から命名されたという。酒の世界への豊富な知識と経験を生かそうとする敬虔な心意気が伝わってくる。

食後の余韻に田園ビルの名物である赤い絨毯を敷き詰めた螺旋階段を御覧いただきたい。昭和レトロな高度成長期の象徴で、来店の記念になるショットを是非。